「佐藤昇君を応援する会」解説ページ
index
1.佐藤君が書いた記事の概要
2.記事削除の仮処分申請と反撃記事
3.仮処分却下、記事の正当性が認められる
4.高橋弁護士からの電話→すべての記事削除の依頼
5.佐藤君の非。なぜ金銭での解決を了承したのか?
6.もう一つの恐喝案件
7.考えられない逮捕と警察OB

1.佐藤君が書いた記事の概要 

 この恐喝未遂事件の被害者は文智勇(ムン ジヨン)氏。株式会社レイズ(旧名称:株式会社Renewable Energy Investment Japan,株式会社玄海インベストメントアドバイザー)という再生エネルギーに特化したコンサルタント会社の代表でテクノシステムの元取締役です。

 文智勇氏は「『金を出さなければ記事を掲載し続けるぞ』と佐藤に脅された」と主張をしている訳ですが、その”脅し”第一弾がこの記事ということになっています。

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20210517n.html

 2021517日に週刊報道サイトに掲載されたもので、第一弾と言いましたが、この記事ではレイズや文智勇氏に関する記述はごく一部しかありません。記事の主旨はSBIグループの企業体質とSBIグループの総帥である北尾吉孝氏のグループ運営方針に疑義を投げかけるもので、主役あくまでもSBIグループと北尾吉孝氏です。”脇役”のレイズ及び文智勇氏がどんな場面で登場してくるかというと、テクノシステムに関する部分です。

 

 SBIグループを語る上で決して欠かせない出来事。それがテクノシステム事件です。テクノシステム事件とは、端的に言うとテクノシステムという会社が架空の事業話でSBIグループのSBIソーシャルレンディングから、100億円以上の金を引っぱった(融資を受けた)という詐欺事件です。当然のことながら融資を受けた金は返せないので、事が発覚しテクノシステムの代表・生田尚之氏と同社の取締役、執行役員の計3名が20215月、東京地検特捜部に逮捕されました。

 佐藤君の記事はSBIグループの企業体質を問う内容ですから、必然的にテクノシステム事件が書かれ、その流れでレイズ(記事当時は「玄海インベストメントアドバイザー」)及び文智勇氏が登場してきた、という事です。

 

 ここでテクノシステムに騙されたSBIソーシャルレンディングについても少し書かねばなりません。SBIソーシャルレンディングはその名の通りソーシャルレンディングという事業を行っていた会社です。ソーシャルレンディングというのは、資金を必要とする企業と投資家をインターネット上で結びつける金融サービスで、1万円からでもお手軽に出資ができるにも関わらず、おおよそ210数%と高い利回りを得られる、というところが特徴です。

 210数%の利回りというのはすごいです。当時、日本はもちろんのこと、先進国は軒並み0%前後の政策金利でしたから、「こんな高金利、大丈夫なのか?」とまともな人は思ったハズです。しかし、”SBI”の看板の下、SBIソーシャルレンディングは上場を目指して売り上げを伸ばし続け、挙句の果てにテクノシステムに騙された、という構図です。要するに無理をして売り上げを作ろうとするあまり、危ない案件に融資していった訳です。

 しかし、仮にもSBIソーシャルレンディングは、金融に関してはあらゆるノウハウ、知識があるSBIグループの会社です。「本当に詐欺に気が付かなかったのか?」という疑義があるのです。もっと知りたい方はこの記事がわかりやすいです。

https://toyokeizai.net/articles/-/575184

 結局、テクノシステム事件は生田尚之氏の逮捕で幕引きとなりましたが、報道されなかった謎は山ほど残りました。同時にこのような謎がSBIグループや北尾吉孝氏には「まだある」という問題提起を佐藤君はしていたのです。

 

 話を恐喝未遂事件に戻します。文智勇氏とレイズ(旧名称・玄海インベストメントアドバイザー)に関する記述の要点は以下なります。

 

1.文智勇氏はテクノシステムの取締役を平成29年4月20日の就任から令和1年11月30日まで務めていた

2.テクノシステムが太陽光発電事業に参入したきっかけは、レイズ(旧:玄海インベストメントアドバイザー)代表取締役である文智勇氏とのパイプであった

3.レイズがSBIソーシャルレンディングと再生エネルギーで協業していることから、テクノシステムはSBIソーシャルレンディングのプラットフォームで資金調達するようになり、急成長を遂げた(ジャーナリスト・伊藤博敏氏の記事を引用した記述)

4.文智勇氏に対して「テクノシステム」の社長の生田尚之被告から、管理料や顧問料などの形で、不正な手段で得た利益からお金は支払われていなかったであろうか?

具体的な記述はこちら

 

 この記事が掲載されて約10か月後の202234日、レイズは記事の削除を求めて東京地裁に仮処分の申請をします。なぜ、レイズは記事の削除を求めたのか?最大の理由は金融機関から「この記事を削除しないと新規融資は難しい」と言われたからでした。


<週刊報道サイトに掲載されている文智勇氏陳述書>

 

 

2.記事削除の仮処分申請と反撃記事

 佐藤君の記事に対する文智勇氏の主張はこうです。

 

2021517日に週刊報道サイトに掲載された記事は、レイズ代表・文智勇の名誉を棄損していることが明らかなので仮の削除を求める」

 

 そして文智勇氏は、週刊報道サイトの記事の中で、以下6点の記述が名誉を棄損していると主張しました。

 

@)テクノシステム社長の生田尚之被告が融資金の詐欺容疑で逮捕された

A)テクノシステム社長の生田尚之被告は玄海インベストメントアドバイザー代表・文智勇と出会いが縁で太陽光発電事業に参入した。玄海インベストメントアドバイザーがSBIソーシャルレンディングと再生エネルギーで協業していることから、SBIソーシャルレンディングのプラットフォームで資金調達するようになった

B)文智勇を窓口としていたであろう、SBIソーシャルレンディングからテクノシステムへの約383億円の乱脈とも言える融資

C)生田尚之被告と玄海インベストメントアドバイザーを含むSBIグループはもたれ合っていた

D)文智勇は、テクノシステムの取締役を平成29年4月20日の就任から令和1年11月30日の辞任まで務めていたようなズブズブの関係であった

E)玄海インベストメントアドバイザーの代表取締役の文智勇に対して、「テクノシステム」の社長の生田尚之被告から、管理料や顧問料などの形での融資契約の仲介業務からの不正な利益の仲介料は支払われていなかったであろうか

<レイズの投稿記事削除仮処分命令申立書より>

 

 

 上記6点は当事者の文智勇氏にとっては非常に気に障ったのでしょうが、生田尚之氏が逮捕されたという確定事実や著名なジャーナリストの記事からの引用まで権利侵害と言われれば、佐藤君も「言いがかり」と感じたのでしょう。すぐに記事で反撃に出ました。322日から6回にわたって、週刊報道サイトで仮処分の審尋の内容を詳報したのです。

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220321n.html

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220328n.html

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220404n.html

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220411n.html

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220418n.html

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220425n.html

 

 とくに328日に掲載された第2弾は、レイズがSBIソーシャルレンディング、テクノシステムと密接な関係にあったことが資料を元に具体的に説明しており、情報として秀逸で価値が高いものとなっています。

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220328n.html

 

 例えばテクノシステム事件を受け設置された第三者委員会の調査報告書の解説。

 調査報告書ではA社、B社、C社などと会社や人物の名前が匿名化され、読む側にとっては何のことかわからない部分が多いのですが、第2弾記事ではA社=テクノシステム、B社=レイズ(玄海インベストメントアドバイザー)と公表。過剰な匿名化によって、読んでも意味不明だった調査報告書に「何が書かれているのか?」ということがわかるようになりました。たとえば、

 

2020年11月12日、SBIソーシャルレンディング(SBISL)は、テクノシステム(生田尚之) から資金支援の要請を受けるに至り、文智勇(筆者注・正確には「玄海インベストメントアドバイザー」)と協議の結果、文智勇(筆者注・正確には「玄海インベストメントアドバイザー」)が管理する合同会社がSBISLメガソーラーブリッジローンファンド26号(貸付)先SPCの社員持分を買い取ることとなり、同月30日に買取が実行され、この買取代金が原資となってSBISLメガソーラーブリッジローンファンド26号(貸付)金が返済された

<調査報告書画像><記事画像>

 

SBIソーシャルレンディングは、上述のとおり、問題があれば文智勇(筆者注・正確には「玄海インベストメントアドバイザー」)が解決するであろうとの期待等を背景に、テクノシステム(生田尚之)の工事完成能力に対する職業的猜疑心をもった検証を怠り、プロの受託者としてあるべき審査・モニタリングの職責を放棄した。

<調査報告書画像><記事画像>

 

2020年4月8日、生田尚之筆者注・生田尚之は間違い。SBIソーシャルレンディングの当時の社長、織田貴行)は、文智勇に対し、テクノシステムからの要望を受け、「SBIソーシャルレンディングとしては良質な案件は取り扱いますので文智勇に案件提示してください」とテクノシステム(生田尚之)に伝えた旨のメールを送信し、テクノシステム(生田尚之)の新規案件を受け付ける旨を言明した

<調査報告書画像><記事画像>

 

といった事実です。第三者委員会の調査報告書を「B 社」で検索すれば、レイズに関して他にもいろいろな事がわかりますので興味のある方は見てみてください。

 この記事のもう一つの見どころは、テクノシステムの代表・生田尚之氏が逮捕18日前に関係者各位へ宛てた手記を公開しているところです。具体的な部分を記事から引用します。

 

SBIソーシャルレンディングの募集金額に対して、貸付先は、アセットマネジメントをしている玄海キャピタルグループである、一般の投資家に支払われる金員をTK出資(匿名出資)という形で、テクノ側取引先会社に負担させて、玄海キャピタルの手数料以外に、文(智勇)社長の実質的会社である会社(A、B、C)と分かれているに、手数料を振込

<記事画像>

 

この4社(SBIグループ、玄海グループ、グリーンワークス、アジェ(サンモルメント))によるテクノシステム支払い額(額50億、10億、30億、14億)100億に近い金額をすいとられている事実は全く公開されずにテクノシステムだけが悪者にしたてられている事実があること!

<記事画像>

 

 テクノシステムから文智勇氏に膨大な金が流れた、と書かれているこの生田氏の手記。第三者委員会の報告書でも一切触れられておらず、真実はどこにあるのか?ということは謎のまま終わってしまいましたが、「この事件はもっと奥が深いのだ」という事を、佐藤君はファクトを示しながら世間に知らせているのです。

 

 

3.仮処分却下、記事の正当性が認められる

 時計の針を少し前に戻します。レイズが記事削除を求めた仮処分申請は323日から東京地裁で審尋が行われます。つまりレイズ側と佐藤君が裁判所でそれぞれの意見や主張をすることになりました。レイズ側の代理人は電話会話で登場する高橋康允弁護士です。

 裁判官は以下について高橋弁護士に指示をしています。

1.第三者委員会の調査報告書の中で、アルファベット表記で記載されている会社のどれがレイズに当たるのか、明らかにすること

2.レイズの文智勇氏はどのような経緯でSBIソーシャルレンディングをテクノシステムに紹介し、どれだけのコンサルティング料を得たのか明らかにすること

 しかし、高橋弁護士は裁判官のこの指示に明確な回答することができなかったのです。

3回目の審尋(427日)で高橋弁護士が提出した準備書面(審尋で主張する内容を書いた書面)では、裁判官が指示した1、2について回答がほとんどなされていませんでした。そのことを問うと高橋弁護士は『示談で記事を削除してもらうためにはどうしたらいいでしょうか?』と頼んできたのです。そこで私は慰謝の措置、つまり和解金が必要という話をしました」(佐藤君)

 そして4回目の審尋(519日)で佐藤君は、生田尚之氏の手記を裁判所に証拠として提出。この段階で高橋弁護士は完全に負けを確信したようです。

「『和解金を前提とした記事削除の示談では、どのくらいの金額を考えておけば良いのでしょうか?』と高橋弁護士は聞いてきましたので『600万円ですかね。ただし、その交渉はこちらも代理人に立てるので代理人同士でやってください』という話をしました」(佐藤君)

 審尋の場でのこのやり取りには裁判官もさすがに「如何なものか?」と思ったようで、

「裁判官は『そういうやり取りはこの場ではちょっと』と困り顔でした」(佐藤君)

という事です。

 ちなみに「600万円」という数字は、この手の交渉では特別高い金額ではないそうです。高橋弁護士から示談の話を持ち出された佐藤君は513日、顧問弁護士の中島真介氏に相談に行っています。そこで中島弁護士からこんなアドバイスを受けています。

「記事削除など民事で生じるトラブル全般は200300万円でまとまるケースが多い。ただその金額を最初から言ってしまうと減額されてしまうので、倍程度の600万円で提示したらどうか?」

こんな経緯で出てきた「600万円」という金額だった訳です。

 

 そして最後となる6回目審尋(621日)において、裁判官が当事者に対して自らの心証を示す「心証開示」が行われました。その心証は、

 

「週刊報道サイトの記事は文智勇の権利を侵害しているような中傷記事ではなく、公益性、公共性、真実相当性を満たした記事なので、削除する必要はありません」

 

というもの。レイズの主張はとおらず、記事の削除はできないことが決定した訳です。このためレイズは判決を待たず翌22日、自ら仮処分申請を取下げしました。こうして佐藤君が書いた記事の正当性が認められ、レイズは法的には記事の削除はできないことになり、和解協議に入っていくのです。

 

 ちなみに仮処分対象の記事ですが、高橋弁護士と佐藤君の話し合いで一部修正されています。修正箇所とその理由に関してはこちらをご覧ください。

<修正箇所と理由>

 

 

4.高橋弁護士からの電話→すべての記事削除の依頼

 仮処分申請取下げから約一週間後の628日、高橋弁護士は佐藤君に電話を入れます。「(文智勇氏から記事を)消してほしいと依頼があった」(高橋弁護士)ためで、これが冒頭の音声ファイルになります。

この時、話し合われた主な内容は以下です。

高橋弁護士:記事を消すにはどういう方法があるか?

佐藤君:慰謝の措置、つまり事実の記事を消す訳なので相応の対価が必要

高橋弁護士:お金での解決ですね。仮処分の記事と反撃記事があるが、解決の料金はいくらになる?

佐藤君:全部消すか一部消すかで料金は変わる

高橋弁護士:概算を教えて欲しい

佐藤君:金銭解決の話を本気でしたいのなら、私の代理人と交渉して欲しい。一部の記事を消したいのか全部の記事を消したいのか?

高橋弁護士:お願いしたいのは仮処分の記事じゃなくて反撃記事

佐藤君:条件がまとまれば全部消す

高橋弁護士:反撃記事を全部消すにはいくらかかる?

佐藤君:600万。この金額で全部消す。加えて今後、文智勇氏に関する記事は刑事事件に関わるもの以外は出さない。

高橋弁護士:6本だけならいくら?

佐藤君:それだけなら安くしてもいい。ただ、「文智勇のことを記事で書いてくれ」という依頼が来ている。

高橋弁護士:また連絡します

 これまで説明してきた通り、レイズは記事削除の仮処分を申し立てたことで、佐藤君に次々と反撃記事を掲載されてしまいました。その反撃記事は仮処分の対象記事よりも圧倒的に強烈な内容でしたから、レイズとしては反撃記事を何としても消したかった、という事がこの会話からわかります。

 一連の電話での会話を「報道するものが金で解決するとは何事か?」と思われる方がいるとは思います。この点に関しましては、このあと佐藤君の言い分を載せます。

 ここでみなさんに知ってほしいことは、これまで書いてきた一連の経緯の中でレイズは示談で問題を解決するしか方法がなかったという事です。そして高橋弁護士はなんとかクライアントの要望に応えるべく、上記の会話のように佐藤君と一生懸命交渉しており、恐喝でないことは明白です。しかし警視庁四谷警察署はこの電話会話を「恐喝の証拠だ」として佐藤君を逮捕したのです(もう一つ「恐喝」と警察が認定した要素がありますが、それは後に触れます)。

 

 ちなみにこの電話会話には、一連の経緯を理解していると違和感のある部分があります。その点の解説は以下を見てください。

 
<6月28日電話会話に関する解説>

 おそらく皆さん以下2か所に違和感を感じるのではないでしょうか?

 まず、41秒〜からの会話で、高橋弁護士が「慰謝の措置っていうと?」と佐藤君に聞き返す場面。

 

高橋弁護士 そのあたりって、何かこういう方法だったら良いけど、とかってありますかね?

佐藤君 だから、そうなってくると慰謝の措置をとるしかないですよね。

高橋弁護士 い、い、いしよ?

佐藤君 慰謝の措置。

高橋弁護士 慰謝の措置って言うと?

佐藤君 事実の記事を消すわけですから、相応の対価がないと消すことはできないので

高橋弁護士 要するにお金って事ですかね

 

 もう一点が816秒〜の高橋弁護士が記事を消す相場を聞く場面。

 

高橋弁護士 もちろんその記事、大体相場だけでも教えて貰って良いですか?6本全部だと。

佐藤君 大体6本だと、通常600万から始まりますね。

高橋弁護士 ああ、1100万単位?

 

 審尋の場ですでに「慰謝の措置」という言葉も出ていましたし、「600万円」という金額も提示されていたにも関わらず、高橋弁護士はなぜこのような反応をしたのでしょうか?この点に関しての佐藤君はこう言っています。

「私は『高橋弁護士と一緒に文智勇かレイズの社員がいるな』と思いました。審尋の場ですでに話している内容でしたから、「ずいぶんと芝居がかったことをするな」と思いましたが、もちろんそれを指摘することなく話を続けました」

 実際、2分10秒〜の会話では審尋の場で慰謝の措置の話が出たことが、佐藤君の口から語られ、高橋弁護士も「過去に聞いている」という雰囲気で相槌を打っています。

 

佐藤君:前、審尋の時に言ったように、そういう話だったら、代理人を

高橋弁護士:ああ、なるほどね。

佐藤君:代理人同士で話してくれれば・・・

 

 電話会話での違和感に関して、高橋弁護士がどのような証言をしているかということは、「裁判詳報」の部で詳しくお伝えいたします。

5.佐藤君の非。なぜ金銭での解決を了承したのか?

 示談交渉とはいっても、一言でいえば「金をもらって記事を消す」という事です。金銭で解決することが許されるだけの大義が佐藤君にはあったのでしょうか?佐藤君の立場になって、筆者の勝手な見解を箇条書きでさせていただきたいと思います。

1.SBIグループの問題を追っていく中で、文智勇という人物の存在を知った

2.文智勇氏に関してわかっている事実を記事で取り上げた

3.ところが「この記事はウソだ!削除しろ!」と文智勇氏から裁判所に申し立てられた

4.6回の審尋をやらなければならなかった。かなりの労力と手間がかかった

5.裁判所は「真実の記事だ」と認めた。文智勇氏からの申し立ては「言いがかり」という事が確定した

6.今度は手のひらを返して「記事を消してほしい。金で解決したい」と文智勇氏から言ってきた

 と、こういう流れです。佐藤君としては「言いがかり」をつけられ、かなりの手間暇を要した訳です。「和解の提案を無視してさらに書き続ける」事もできた訳ですが...佐藤君はやはりサイトを運営していかなければならないので、経営という判断基準があったのかもしれません。

 実際、佐藤君はどう思っているのでしょう。

「私の記事は、裁判官が『公益性、公共性、真実相当性を満たしており消す必要がない』と認めたものです。また、反撃の6本の記事は、審尋の時に裁判官から承諾を得て掲載しており、その目的は社会に真実を伝えるためです。

 これらの記事の削除を、裁判外つまり示談交渉で持ちかけられてきた訳です。すべて消す必要のない記事ですし、そもそも記事は私の作品ですから、記事を消すのは不本意で心が痛い。ですから『お詫び』という趣旨で『慰謝の措置』という言い方をしました」

 

 読者のみなさんには、それぞれ生き方があり経験も違います。ですから「報道する人間が金銭解決をする」事には、みなさんそれぞれの考え方があり、そしてその考え方が正しいと思います。ただ、記事削除の対価としてお金を得ること、そして示談交渉が”恐喝未遂”として犯罪構成されていることは、まったく別の問題という点だけは理解していただきたいと思います。

 

 

6.もう一つの恐喝案件

 佐藤君は829日から文智勇氏に関する新たな連載をはじめます。ホームランソーラーパークという会社と文智勇氏が実質的なオーナーとなっている会社とのトラブルに関する記事で、文智勇氏が違法性のある手段でホームランソーラーパークの営業秘密を入手したという内容です。

 6月28日の電話以降、高橋弁護士から連絡がなかったことから「示談の話は流れた」と佐藤君の判断し、記事を再開しました。

http://hodotokushu.net/kaiin/kiji20220829n.html

 「ホームラン劇場」というなかなか良いキャッチコピーがつけられた連載なのですが、文智勇氏に関するこれまでの記事に比べると内容は希薄で、正直ガッカリ感は否めません。

 内容はともかくとして、829日から始まる「ホームラン劇場」の連載をはじめるにあたり、佐藤君は82日にレイズに文書とメールで質問書を送ります。そしてこの質問書も恐喝とされてしまうのです。

<取材申し込み書全文>

 「突然の取材申込書、恐縮でございます」からはじまるこの質問書ですが、正直わかりにくい文章です。また、筆者の方で多少修正しておりますが誤字脱字も多く、質問書として点数をつければ100点満点で10点くらいでしょう。

 しかしご覧になっていただければわかると思いますが、内容は恐喝ではありません。きわめて読みにくいだけです。また、調査報道において報道機関は、記事の対象者には必ず”当て取材”をしなければなりません。情報提供者から聞いた話を、”書かれる側”に「事実かどうか?」と確認してからでないと記事は書けないのです。情報提供者からの情報に間違いがあることはよくある事ですし、それ以上に”当て取材”をしていないと、”書かれる側”から訴訟を起こされたときにほぼ負けてしまうからです。

 最近ではテレビ朝日の報道情報番組「スーパーJチャンネル」が”当て取材”をしなかったことから謝罪に追い込まれました。

https://www.sankei.com/article/20230802-AGAO22HBERKNFC4FDC6BRUXXYI/

ビッグモーターと損保ジャパンの保険金不正請求に関する報道だったのですが、損保ジャパンに事実確認をまったく行わなかったのです。報道の世界では「ちょっと考えられない」と話題になりましたが、”当て取材”は相手からたとえ「恐喝だ」と言われても断行しなければならないのです。

また、週刊報道サイトの顧問弁護士、中島真介氏が817日に高橋弁護士宛に送った内容証明の通知書も恐喝の要素とされています。起訴状ではこう書かれています。「(被疑者・佐藤は)週刊報道サイト株式会社代理人弁護士・中島真介を介して、モノリス法律事務所に宛てて、取材申込に対する回答を求める旨記載するとともに、『令和4628日頃、通知人が貴職との話合いにおいて提示した慰謝の措置としての示談金600万円の支払先口座は下記のとおりであります」などと記載した通知書を郵送した」

 この文面だけ見ると、恐喝そのものの内容になっていますが...。まず最初に断っておきますが、この口座というのは中島弁護士の口座です。また、中島弁護士は公判で検察側の証人で出廷していますが、恐喝の意図があったなどとはまったく語っておりません。

2023年9 月15日.法廷での証言が終わった後、廊下で中島弁護士に内容証明を送った意図を聞いてみるとこんな話をしてくれました。

ーー質問書を送ったけれども返答がない。和解の話に関しても、高橋弁護士の方から「連絡しますよ」と言ったまま連絡来なかったので、「和解の件どうなったのかな?」ということで中島先生が内容証明を送った、という経緯だと佐藤君からは聞いているのですが?

 そうですよ。佐藤さんがそれまでやっていた訴訟が、弁護士が付いていたか本人訴訟かはちょっと記憶がないですが、裁判所から、話し合いをしろとかしないとか、和解するとかしないとかという話になって代理人をつけろ、みたいなことになったんじゃないかな?それで私が頼まれて「和解で解決してくれ」と。

ーー高橋弁護士から和解したい、という話が来たので「金額的なことはどうしよう?」ということで中島先生に相談した、という話も聞いています。「通常200300万だけどもとりあえず600万くらいいいじゃない?」とアドバイスを受けたという話で聞いたのですが?

 はい。まあ言い方は悪いですけど、少し(金額を)乗せてね。

ーー中島先生も災難でしたね?面倒くさいことに巻き込まれてしまって。

 佐藤さんとは特別変な付き合いではなくて、ごく普通に一般の人が相談するような感じで相談を受け、「じゃあこの案件については内容証明を出しましょう」という事で解決を目指す、という事でやってきました。私は和解で解決する事を最優先にしてますので。判決よりは和解解決というスタンスです。内容証明を出すというのは話のきっかけを作る、というのが意図です。要するに「話し合いをしませんか?」という事です。 

 

佐藤昇君を応援する会 journalist成田俊一

7.考えられない逮捕と警察OB

調査中

 

<裁判詳報>

作成中